2026/08/17 17:15
加工肉の種類の違いとは
先日、『マイスターのドイツフルコースセット』の商品説明を書き直していて、ふと思ったことが。
ソーセージ、ハム、ベーコン、ケーゼ、ペースト、ハクセ。この様々な商品を、正しく使い分けているか、自信が持てなかった。
ソーセージとハムは、原料肉が違う。では、ソーセージとサラミは、どちらも挽き肉が原料になるが、具体的に何が違うのか?
うちの工房では、常時30種類前後の加工品を製造しているが、レシピ設計・製造に関しては工場長のマイスターに頼りっきり。それぞれジャンル分けを正しく出来ているか、それをお客様にお伝え出来ているか、自信がなかった。

工房にある教科書(Brühwurstatlas、旧西ドイツ時代の食肉加工の資料)を開くと、加熱ソーセージの定義が載っている。
「細切した生肉に食塩または亜硝酸塩入り塩せき塩を加え、必要に応じてカッター補助剤と飲用水を加えて肉たんぱくを抽出し、加熱処理によって筋肉たんぱくを凝固させたソーセージ製品」。
読み返して引っかかったのは「細切した生肉」という部分だった。ソーセージは、肉を切り刻む、あるいは挽くところから始まる製品らしい。
マイスターに聞くと、「ハム・ベーコンはブロック肉を、その形をできるだけ崩さずに塩漬けして仕上げる。ソーセージはお肉を挽いて、場合によっては、カッターで脂と氷と一緒に練り込む。原料の段階からまず違うんだよね~。」と教えてくれた。
「サラミやケーゼもドイツの基準では、”加熱ソーセージ”。生地を作り、それをケーシングに詰め、焼成する。腸に詰めるものだけがソーセージと思うだろうけど、実際は定義づけされた通り、挽き肉→練り込み→ケーシング→焼成したものはソーセージと言うんだよね。ここが日本では馴染みが無い所かもね。」

練りながら温度を見張る仕事
教科書にある、カッターでの作業は温度との勝負でもあるらしい。いわゆる乳化(エマルジョン)生地のこと。
赤身肉と塩だけの段階では0℃を超えないように、脂を加えても6℃まで、最終的に生地全体を仕上げる段階でも15℃を超えないようにする、という目安が示されている。
「氷を入れるタイミングが、早すぎても遅すぎてもだめだね。」とマイスターは言う。
「早すぎると生地がべちゃっとして脂と水を抱え込めなくなるし、遅すぎると刃のまわりだけ熱を持って、たんぱく質が先に固まってしまう。どちらも結着が悪くなる」。
体系化されたノウハウであっても、実行できるか難しい、職人の仕事という事なのだろう。
こうして細かく挽いた肉と脂と水を、氷で冷やしながら少しずつ結着させていく。この状態がソーセージの生地(Brät)と呼ばれるものらしい。

塊のまま仕上げるハム・ベーコン
一方でハムやベーコンは、肉を挽かずに塊のまま扱う製品として知られている。ハムは主にロース肉やもも肉などの部位を整形し、塩漬けしてから燻製・加熱する。
ベーコンは主にバラ肉を使い、同じように塩漬けと燻製で仕上げる。挽いてカッターで練る工程がない、というのが大きな分かれ目になる。
「肉を挽くか、塊のまま使うかで、水分の抱え方も、肉への味の染み込み方もまったく違ってくるね~。」とマイスターも補足する。
同じ豚肉から作られていても、肉を「どういう形のまま扱うか」で、その先の工程がまるごと変わる。ソーセージ・ハム・ベーコンという三つの言葉は、味の違いである以前に、製法上の系統が違う、という理解の方が近いのかもしれない。
食べて確かめたいなら
うちの通販には「マイスターのフルコース11品セット」という商品がある。
https://ichimeat.base.shop/items/149072674
名前の通り、ドイツの加工品(ソーセージ・ブロックハム・ブロックベーコン・ケーゼ・ハクセなど)を網羅したが一緒に入っている。
今回の違いを踏まえて見比べると、①カッターで乳化した生地、②あらびきの生地、③ロースハム、④ベーコン、⑤ケーゼ、⑥ペースト、⑦ハクセ とボリューム満点すぎる。
挽いて練った生地の弾力と、塊のまま塩漬けされた肉の繊維質な食感を、ひとつの詰め合わせの中で食べ比べられる商品ということになる。
ただ、今回は、ケーゼやペーストと一般的なソーセージの違いは、明確にまとめる事が出来なかった。
次は、ドイツの基準と日本で知られるアイテムのギャップをきちんと整理していこうと思います。
ソーセージ、ハム、ベーコン、ケーゼ、ペースト、ハクセ。この様々な商品を、正しく使い分けているか、自信が持てなかった。
ソーセージとハムは、原料肉が違う。では、ソーセージとサラミは、どちらも挽き肉が原料になるが、
うちの工房では、常時30種類前後の加工品を製造しているが、レシピ設計・製造に関しては工場長のマイスターに頼りっきり。それぞれジャンル分けを正しく出来ているか、それをお客様にお伝え出来ているか、自信がなかった。

工房にある教科書(Brühwurstatlas、旧西ドイツ時代の食肉加工の資料)を開くと、加熱ソーセージの定義が載っている。
「細切した生肉に食塩または亜硝酸塩入り塩せき塩を加え、必要に応じてカッター補助剤と飲用水を加えて肉たんぱくを抽出し、加熱処理によって筋肉たんぱくを凝固させたソーセージ製品」。
読み返して引っかかったのは「細切した生肉」という部分だった。ソーセージは、肉を切り刻む、あるいは挽くところから始まる製品らしい。
マイスターに聞くと、「ハム・ベーコンはブロック肉を、その形をできるだけ崩さずに塩漬けして仕上げる。ソーセージはお肉を挽いて、場合によっては、カッターで脂と氷と一緒に練り込む。原料の段階からまず違うんだよね~。」と教えてくれた。
「サラミやケーゼもドイツの基準では、”加熱ソーセージ”。生地を作り、それをケーシングに詰め、焼成する。腸に詰めるものだけがソーセージと思うだろうけど、実際は定義づけされた通り、挽き肉→練り込み→ケーシング→焼成したものはソーセージと言うんだよね。ここが日本では馴染みが無い所かもね。」
練りながら温度を見張る仕事
教科書にある、カッターでの作業は温度との勝負でもあるらしい。いわゆる乳化(エマルジョン)生地のこと。
赤身肉と塩だけの段階では0℃を超えないように、脂を加えても6℃まで、最終的に生地全体を仕上げる段階でも15℃を超えないようにする、という目安が示されている。
「氷を入れるタイミングが、早すぎても遅すぎてもだめだね。」とマイスターは言う。
「早すぎると生地がべちゃっとして脂と水を抱え込めなくなるし、遅すぎると刃のまわりだけ熱を持って、たんぱく質が先に固まってしまう。どちらも結着が悪くなる」。
体系化されたノウハウであっても、実行できるか難しい、職人の仕事という事なのだろう。
こうして細かく挽いた肉と脂と水を、氷で冷やしながら少しずつ結着させていく。この状態がソーセージの生地(Brät)と呼ばれるものらしい。
塊のまま仕上げるハム・ベーコン
一方でハムやベーコンは、肉を挽かずに塊のまま扱う製品として知られている。ハムは主にロース肉やもも肉などの部位を整形し、塩漬けしてから燻製・加熱する。
ベーコンは主にバラ肉を使い、同じように塩漬けと燻製で仕上げる。挽いてカッターで練る工程がない、というのが大きな分かれ目になる。
「肉を挽くか、塊のまま使うかで、水分の抱え方も、肉への味の染み込み方もまったく違ってくるね~。」とマイスターも補足する。
同じ豚肉から作られていても、肉を「どういう形のまま扱うか」で、その先の工程がまるごと変わる。ソーセージ・ハム・ベーコンという三つの言葉は、味の違いである以前に、製法上の系統が違う、という理解の方が近いのかもしれない。
食べて確かめたいなら
うちの通販には「マイスターのフルコース11品セット」という商品がある。
https://ichimeat.base.shop/items/149072674
名前の通り、ドイツの加工品(ソーセージ・ブロックハム・ブロックベーコン・ケーゼ・ハクセなど)を網羅したが一緒に入っている。
今回の違いを踏まえて見比べると、①カッターで乳化した生地、②あらびきの生地、③ロースハム、④ベーコン、⑤ケーゼ、⑥ペースト、⑦ハクセ とボリューム満点すぎる。
挽いて練った生地の弾力と、塊のまま塩漬けされた肉の繊維質な食感を、ひとつの詰め合わせの中で食べ比べられる商品ということになる。
ただ、今回は、ケーゼやペーストと一般的なソーセージの違いは、明確にまとめる事が出来なかった。
次は、ドイツの基準と日本で知られるアイテムのギャップをきちんと整理していこうと思います。

