2026/09/16 18:34
原料豚肉にも種類があります
ドイツの教科書を読み返していると、「温屠体肉」という項目が。
屠畜した直後の、まだ温かい肉のことらしい。
あまりピンとこない方もいると思いますが、
日本の100%の豚肉は、生きている状態から屠畜で命を頂いた後、
必ず殺菌や品質維持のため冷却されます。
これは、大げさではなく、日本の法律で決まっているから。
屠畜した直後の、まだ温かい肉のことらしい。
あまりピンとこない方もいると思いますが、
日本の100%の豚肉は、生きている状態から屠畜で命を頂いた後、
必ず殺菌や品質維持のため冷却されます。
これは、大げさではなく、日本の法律で決まっているから。
しかし、当時のドイツでは、この温かい肉に塩と氷を加えるだけで、良い生地ができたと書いてある。
私たちが知っている豚肉といえば、「冷蔵/冷凍」が当たり前で、
温かい状態のお肉で作るソーセージは、正直イメージ出来なかった。

資料にある「温屠体肉」は、どんなものなのか。
マイスターに聞いてみると、
「資料の温屠体肉は、そもそも日本には無い考え方だね~。
大前提で日本の場合は、と畜場法で決められた施設でと畜されて、冷やしこみをされて荷受けする。
大前提で日本の場合は、と畜場法で決められた施設でと畜されて、冷やしこみをされて荷受けする。
ドイツでは、屠畜だけされた豚を仕入れて、暖かい状態でカットをすることもある。」
なぜ温屠体肉を使用するのか。
なぜ温屠体肉を使用するのか。
「その肉じゃないと出来ない事がある、みたいなイメージかな。
ごめん、正確な表現は出来ないんだけど、”豚の風味(アロマ)”がよく出る、
みたいなニュアンスだったかな。
みたいなニュアンスだったかな。
あと、温屠体の豚は、PHが高くて保水性があって、リンも多く含むから、結着しやすい。」
ここの話は、化学の前提知識が無いと理解が難しい。
ここの話は、化学の前提知識が無いと理解が難しい。
「肉の持つ旨みを含んだ水分の調整には、”リン”が重要。
屠畜後、酸素が届かなくなり、筋肉を動かすためのATP(アデノシン三リン酸)が減少する。
そうすると、糖(グリコーゲン)を使用してATP補おうとする。
そうすると、乳酸が蓄積されて、筋肉は酸性側へ向かう。
そうすると、糖(グリコーゲン)を使用してATP補おうとする。
そうすると、乳酸が蓄積されて、筋肉は酸性側へ向かう。
ATPがいよいよ補いきれなくなると、アクチンとミオシンが結合して外れにくくなる。
つまり、この段階が死後硬直の状態。
その後、酵素によって緩やかに筋肉内のタンパク質が分解されて肉は柔らかくなる。
これが一般的に”熟成終了”って言われる段階だね。」
「熟成終了とは言え、PHが低く、保水性は良くなくドリップの流出は続く。
「熟成終了とは言え、PHが低く、保水性は良くなくドリップの流出は続く。
だから重要なのは、”リン”で、
お肉が本来持つ水分を、なるべく保有させるためにPH値を調整する効果のある”リン酸塩(結着剤)”
が加工品には添加され、ジューシーで美味しいハムやソーセージになる。」
「なんの話だっけ。
「なんの話だっけ。
そう。温屠体は屠畜直後で、まだリンがあるため、
リン酸塩を使用しなくても結着の作用があるから、その狙いもあるのかもね。」
ブログだとあまり伝わらないが、ここまでマイスターはスラスラと話している。
ブログだとあまり伝わらないが、ここまでマイスターはスラスラと話している。
加工品業界の常識だと言われればそれまでだが、化学を理解する職人がいる事は大変心強く思った。
(※マイスターは理系学部出身である。)
「国内では絶対見れないし、結局冷蔵の方が品質も安定してるし、
ドイツでも冷蔵・流通技術が発達して、やっぱり冷蔵の豚肉を使うのが主流だよ。」
ドイツでも冷蔵・流通技術が発達して、やっぱり冷蔵の豚肉を使うのが主流だよ。」
ただ、根っこにある考え方は近いという。
「肉は時間が経つほど、水分や旨味を保つ力が落ちる。
だから、熟成期間が終わったらすぐに、加工原料にしたいんだよね~。
うちが最短で枝肉加工をするのは、その考え方に近いかもね~。」
うちは毎回、契約している農場が出荷した豚を、屠畜された翌日にはカットしている。
それは、早ければ早いほどいい訳では無く、屠畜終了後の24時間経過した段階で
熟成期間が終了する為、その段階ですぐにカットが出来るように製造工程を組んでいる。

効率だけでは選ばない理由
豚肉にも、様々な種類がある。アメリカ産やブランド豚、豚の品種まで挙げれば、きりがない。
その上で、我々が着目してこだわっているのは、”豚由来の素材品質×流通・加工時間”の最適化だ。
たしかに、輸入品で、加工済で・・・
と経済合理性の理由で、原料を安くする事も出来るし、工程も省くことが出来るし、
その中でも、品質が優れているものも恐らくあるのだと思う。
たしかに、輸入品で、加工済で・・・
と経済合理性の理由で、原料を安くする事も出来るし、工程も省くことが出来るし、
その中でも、品質が優れているものも恐らくあるのだと思う。
それでも弊社が、”岩手県産の契約農場の豚”×”枝肉加工”をしているのは、
先に挙げた”豚由来の素材品質×流通・加工時間”での最適解が これだ と信じているからだ。
先に挙げた”豚由来の素材品質×流通・加工時間”での最適解が これだ と信じているからだ。
品質が良いものを、なるべく安く、この塩梅は、経営感覚になるかもしれないが、
マイスターのこだわりを、私はこれからも信じていきたいと思います。

原料肉の素材を楽しみたいなら
うちのハムソーセージを選ぶ理由が、産地の知名度でなくてもいい。
仕入れから加工までを誰が、どう判断しているかを知った上で選んでもらえたら、それで十分です。
温屠体肉の話は、資料の中の一行に過ぎなかった。
それでも、当日解体にこだわっている理由を、自分の言葉で改めて考え直すきっかけになった。
次はマイスターに、部位ごとの向き不向きについても聞いてみようと思っている。
お肉の美味しさを知りたい方は、是非こちらを試してみて欲しい。

